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「そんなの勝てるわけないじゃないですかっ!」
思わずといった感じにツッコむ坂上。
俺も同じこと考えてた……。
「来ないならこっちから行くわよ」
言うや否や、真衣さんは真っ直ぐ駆け出す。
坂上に考えさせないつもりだろう。
対する坂上は横に走り出し、真衣さんから距離をとろうとする。
短剣を投げたり魔法を使ったりしないのは無駄だとわかってるからだな。
そう俺が思った時だった。
坂上が急に止まり、方向転換。
滑るように半回転し、追ってきていた真衣さんに向かって突っ込む。
右手には指の間に挟むようにして短剣が3本。左手には何も持っていない。
たったそれだけで、真衣さんには坂上が何をしようとしているのか理解したらしい。
「そうきたか……」
駆けていた足を止め、身構える。
俺には何をしようとしているのかさっぱりだ。
「ふっ!」
坂上が器用にも2本だけ短剣を投げる。
さらに左手を真衣さんに向け、
「【光弾】」
広範囲に無数の光の弾を放った。
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