特訓開始

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「くっ……」 真衣さんは身を翻して短剣を躱した後、光弾を羽衣で逸らす。 しかしそれが坂上の接近を許すこととなった。 「終わりです!」 両手に3本ずつ短剣を携えた彼女は、2本は肩へ、2本は足へ、残る2本は両手に持ち真衣さんに斬りかかる。 ――そうか!羽衣じゃ身体全体は防ぎきれないんだ! そこでようやく俺は坂上のやろうとしていることを理解した。 羽衣では足下の防御が疎(おろそ)かになる。かといってそっちに防御を回せば今度は上半身が疎かになってしまう。 仮に防ぎきったとしても素早い坂上が待ち構えているし、さっきの防御で咄嗟には動けないだろう。 ――この勝負……坂上が勝てるかもしれない! 俺はそう思っていた。 だが俺は……俺達はすっかり忘れていた……。 「【光壁】」 魔法という存在を。  
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