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視界は真っ暗。
そこに、先輩の声が耳に届く。
「はい10分経過。起きろー」
その声を聞き、俺は閉じていた目を開けて立ち上がった。
まだ疲れは残ってるけどかなりマシだ。
「で、次は何をするんですか?」
背中や腰の骨をパキパキ鳴らしながら訊ねると、先輩はその手に刀を召喚する。
「今日はこれで終わりにしようと思ってな。最後にもう一度実践形式だ」
先輩は人差し指と中指を刀身に沿ってなぞり、打撃変換の魔法を施した。
それを見て、俺も刀を右手に出し、刀身をなぞる。
「1本ですか?」
「好きにしていいぞ」
考えた結果、俺が出した答えは二刀。
反対の手にも刀を出し、刀身を重ねる。
すると左手の刀が白く輝き、溶け込むように消えていった。
俺の刀は2つで1つみたいなものだからな。わざわざもう一度魔法をかける必要はない。
「それでいいのか?」
俺は頷く。
早く二刀流に慣れないといけないからな。
「そうか。なら始める、ぞっ!」
言うや否や、横薙ぎに振るってきた隼人先輩。
俺は咄嗟にしゃがんで躱し、膝蹴りがくる前に左手を突き出した。
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