8110人が本棚に入れています
本棚に追加
一体いつまで閉じこもる気なんだ?
ちゃんと飯は食ってるのか?
心配事を上げたらキリがない。
声を掛けようかとも思ったけど、如月のことだ。返事は返ってこないだろう。
今はアイツを信じるしかないんだ。
俺は自分の部屋に視線を戻して中に入った。
それからリビングを片付けてスペースを作り、刀の素振り。
10本で切り上げ、風呂に入る。
20分ぐらいで風呂を終えた俺は、鍵を閉め忘れたことに気付いた。
すぐに玄関に向かい、鍵を閉める。
その時だった。
「聞こえているか、皐月?」
扉の外から聞こえてきた彩華の声。
リビングに戻ろうとしていた足が止まる。
時計が見えないから正確にはわからないが、今は9時前後のはずだ。
こんな時間に一体……。
盗み聞きは悪いと思いつつ、耳を澄まして聞き耳を立てる。
やはり如月の返事はない。
「話したくないのならそれでいい。でも私の話を聞いてくれ」
言葉通り、彩華は一方的に話し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!