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「もしあの戦いで私達がケガをしたことを気にしてるのなら、それは違う。あれは私達が自分で決めてやったことだ。
もし何もできなかった自分に悩んでいるのなら、強くなればいい。
敵はまた攻めてくる。その時皐月はまた守られるつもりなのか? 違うだろう」
やはり如月からの返事はない。
いや、もしかしたら俺と同じように黙って聞いてるのかもしれない。
「私達は進み始めたぞ。だから皐月もいつまでも立ち止まっているな。一緒に強くなろう。私達は友達じゃないか。
龍牙も、唯も、翔も、光輝も、嵐も、志乃も、もちろん私も、みんな待ってる。
決心がついたらいつもの場所に来てくれ。それだけだ」
彩華が離れていくのが気配でわかる。
俺も何か言おうとドアノブに手を置いたが、思いとどまった。
これはアイツの問題だ。考えるのを邪魔しちゃいけない。
俺はドアから離れると、風呂に入ったにもかかわらず、再び素振りを再開した。
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