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特訓を開始してから数日が経った。
朝の教室で、俺達は龍牙の机を囲むようにして話していた。
ちなみに如月はまだ姿を見せていない。
「そういえばさ、大会の結果ってどうなったんだろ」
ふと、翔がそんな話題を口にする。
最近は特訓で忙しかったせいで、そんなことはすっかり忘れていた。
「んー。やっぱり中止ってことになったんじゃないかしら? あんなことがあったんだし」
「そうだよね……」
宮世の返答に、翔が落ち込んだように見える。
みんなも同じだったらしく、心配そうに翔の顔を覗き込んだ。
「でも、どうしてそんなことを?」
彩華が訊ねる。
俺も丁度そう思ってたところだ。
「だって折角頑張ったんだよ? 残りチームも少なかったみたいだし、もうちょっとで優勝できてたかもしれないじゃん」
「まぁ、確かにな……」
龍牙も腕を組みながら同意する。
でも俺は苦い顔をしていたことだろう。
正直、あのまま続いていれば俺は押し負けていたかもしれないからだ。
それに、あの事件があったおかげでコードの力を使えるようになったんだし。
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