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もちろん、あの事件が起こって良かったなんて思ってない。
死人が出なかったのが幸いだ。
「学園長に訊いてみたらどうだ? 特訓の時に会えるだろ?」
龍牙は腕を組み続けたまま翔に言う。
そういえば、あの戦いからコードの力を使ってないな。
特訓で忙しかったのもあるけど、修司さんは龍牙達の特訓で忙しいし、学園長も同じだ。
俺の力は魔法を撃ってくれる人がいないと使えないのに、関係者は全員ダメときた。
零は出てこないし、俺からは干渉できないし。
折角の力なんだから使えるようにはしておきたい。
いっそのこと、隼人先輩に頼んでしまおうか。
そんなことを考えていると、何ともタイミングよくチャイムが鳴る。
つまり、いつも通り修司さんが入ってくるわけで……。
「…………」
……あれ?
「降谷先生が遅刻なんて珍しいわね。一体どうしたのかしら」
宮世の言葉通り、いつもチャイムと同時に入ってくるはずの修司さんが入ってこない。
これにはクラスのみんなも驚いた。
少し遅れてるだけでこの反応……。
それだけ修司さんが真面目だってことだ。
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