8110人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
怠さで動きづらい身体に鞭を打ち、机に入れてあった魔術書を手に、仕方なく立ち上がって翔と彩華の所へ移動する。
何で翔と彩華かって?
そりゃ扉に一番近いからさ。
「あれ? もう大丈夫なの?」
移動するなりそう訊ねてきた翔。
「んなわけないだろ。できることならまだ寝てたいぐらいだ」
「2日と半日も寝てたくせに」
「うぐっ……」
なかなか痛いところを突いてくるな……。
「まぁ光輝を弄るのはこのぐらいにして。2人も来たよ」
その言葉に後ろを振り返ると、いつの間にか龍牙と宮世が立っていた。
いつの間に……。ってか一声掛けろよ。
「みんな揃ったし、訓練所に行きましょ」
「そうだね」
――あれ? 如月は?
そう思ってアイツの机に視線を向けようとしたところで、アイツがいないことを思い出した。
「どうした、光輝?」
「あっ、いや、何でもない」
……今日辺りにでもアイツの部屋に行ってみるか。
最初のコメントを投稿しよう!