復帰

7/18

8110人が本棚に入れています
本棚に追加
/217ページ
怠さで動きづらい身体に鞭を打ち、机に入れてあった魔術書を手に、仕方なく立ち上がって翔と彩華の所へ移動する。 何で翔と彩華かって? そりゃ扉に一番近いからさ。 「あれ? もう大丈夫なの?」 移動するなりそう訊ねてきた翔。 「んなわけないだろ。できることならまだ寝てたいぐらいだ」 「2日と半日も寝てたくせに」 「うぐっ……」 なかなか痛いところを突いてくるな……。 「まぁ光輝を弄るのはこのぐらいにして。2人も来たよ」 その言葉に後ろを振り返ると、いつの間にか龍牙と宮世が立っていた。 いつの間に……。ってか一声掛けろよ。 「みんな揃ったし、訓練所に行きましょ」 「そうだね」 ――あれ? 如月は? そう思ってアイツの机に視線を向けようとしたところで、アイツがいないことを思い出した。 「どうした、光輝?」 「あっ、いや、何でもない」 ……今日辺りにでもアイツの部屋に行ってみるか。  
/217ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8110人が本棚に入れています
本棚に追加