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「それから……」
武器を消すと、修司さんが少し顔を近付けてきて小さな声で口を開く。
「今日の6時に学園長室に来てほしいと伝言を預かってる。場所はわかるだろう?」
俺は小さく頷いた。
大方、大会中のことについてだろう。
「それじゃあ、また後で」
そう言って修司さんは他の生徒の方へ歩いていった。
何を聞かれるかなんてわからないし、とりあえず練習するか。
1人寂しく隅っこの方に座り、魔術書を開く。
ページを捲る手は自然と上級魔法の項目に辿り着いていた。
「上級魔法……か」
あの戦いで嫌というほど力の差を見せつけられたからな。
まっ、練習するにしても今はできないし、中級魔法でも眺めとくか。
ページを戻し、中級魔法を適当に眺める。
そこで俺はある魔法に目が止まった。
「……【明光剣】」
必要ないと思ってたけど、使えて損はないよな。
実際、武器がなかったあの状況で役にたったし。
「よっしゃ、やるか」
俺は立ち上がってズボンについた砂を払うと、早速詠唱破棄の練習を始めた。
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