8111人が本棚に入れています
本棚に追加
その後、如月が食べ終わるまで待ち、俺達は食器を返却して食堂を出た。
「なんか、思い詰めてた自分がバカみたい」
寮への道中、そんな言葉と共にため息を漏らす如月。でも、それは仕方ないことだ。
「これ以上みんなを巻き込みたくなかったんだろ?」
「っ! わかってたの!?」
目を見開いて驚いた如月は俺の方に顔を向ける。何でわかった? と顔に書いてある。
「そりゃ、な。俺だって同じ気持ちだし」
それに、如月はそういうヤツだ。みんなのためにあれだけ悩んで、自分を責めていたんだから。
「でも生憎と、もうみんな巻き込まれてる。そんでもって、お前が関わってるのを知って黙ってるようなヤツらじゃない」
でなければ、特訓なんてやってないからな。
「そう、なのよね……。ホントにみんな、バカなんだから……」
口では罵倒しつつも、その口元は緩んでいる。彼女に釣られて、俺も思わず笑みを浮かべた。
「って、なに笑ってんのよ? アンタが一番のバカでしょ」
「俺かよっ!?」
「当然。自分だって狙われてるくせに、力の差もわからず対抗しようとしてるんだから」
痛いとこを突かれて反論できない。自分でも子供みたいな考え方だってのは自覚してるよ。
「だからこそ、私が守ってあげないとね」
「はいはい。頼りにしてますよ、如月様」
最初のコメントを投稿しよう!