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ズラリと並んだ机より少しだけ装飾が施された机があった。おそらくミゲル一家の机と思われる
ミゲルがその上に置かれたお猪口を手にとり高々と掲げる
「まずいきなりこのような事になってしまったことを謝りたい!しかし!私からも大事な話があるので丁度良いと思い彼の提案の手伝いをした!」
ビッと亮太を指差す
最後の一皿を並べ終えた亮太が最も遠い位置のミゲルの話をその場で聞いていると空いている手で指差されていることに気付いた
「え?」
全員の視線が一気にこちらへ集まる
「そして大事な話なのだが!皆は我が娘ミラクが病を患っているのを知っているな?彼の世界…つまり人間界ならその病を治せるかも知れないと言っているのだ!」
辺りがざわつく
治せる訳が無い。
一番腕の良い医者が言ったんだ
無理に決まっている
そんな声が至る所から聞こえてくる
「無論私もそう思う」
「っておい!」
間髪入れず亮太が突っ込む
「しかも!!彼の者はミリアにまで手を出した!」
「危ない!」
どこからともなく片刃のナイフが飛んできて亮太の頭すれすれに刺さった
「それでも!そんなボンクラでも私は心を動かされた!重い一発も喰らった!組み手で負けるかと思った!」
「おおおお!?」
次はナイフに加え太刀まで飛んできた
「な…なんかギラギラしてる人が居るんだけど…」
どこからか注がれるアイツ強いのか?と言っているような視線を受ける
「だから彼に賭けてみたい!!」
辺りが完全に静まり返った
「キリナとも話し合った。ミラクを人間界に連れていくかどうか…彼女もミラクがまた元気な姿を見せてくれるなら!ミラク本人さえ良ければ構わないと言ってくれた!」
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