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唯でさえ人気がない都駅の構内。なのに、この暑さったら他ないわ。たまに偶然、人がひとり、ふたり、と視線に入っても、次の瞬間には、いなくなってしまっているし――、一体、私はどふしたのかしら、本当にね。
さっきの話しよ。毎日を一枚一枚、色紙のよふに、色景色にしてしまふってお話し。
でも私の場合は、モノチックな――そうね、古ぼけた映画って言ってたかしら。化粧はしているのに、なぜかしら、この際、薄化粧にしよふかな。お洒落よね。私だって女の子。暇だけど――自分なりの生きがい、見つけていますから。
誰も知らないこと――。見たこともないこと――。
きっと、貴方が耳にしてしまふと、二階の階段から勢いあまって落っこちてしまうぐらいになりそうな、それは、そうね、――素晴らしいことよ。きっと。
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