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そうして、君の日常と言う風景色を集めた一枚々枚の諷景色たちは、既に、すぐに色褪せ色枯れてしまうのです。君は何も知らない――、だって、美しいから。そう、君はそれをモノクロームと言いました。僕は、僕自身には、そのような物をアナローグだとしたしげに、日々、妄想し思っていた頃が昔、偶然にも在ったのです。こちらの場合は、ひっそりとほの暗い森の中を歩いていたら、この目に映った或る納屋まで、必死に(汚く流れる程)歩いてみてや、何も食べることなく、何も感ぜず、生きる気力をも失ったままその中へ入り込み、そして何事も無かったかのようにランプを焚き、生き物たちの気配を促し、辺りを見渡して、土足のまま、この、密閉されしきった空間の最中ではあるんだけれど、私をあるがままに受け入れてくれた箱舟なんだろうか――と、そのような感受性に纏われ、軽く頷き、持っていた缶に封を切り、孤独、思うことなく、唯、静かに、それを口に、貪り喰らうのです。別段、自身の体験談と言う訳では、到って無いことは確かなのですが(だけど、このように近しい経験は有りましたが)、今は丁度、散歩から帰ってきて、一人涼しげにサイダーを飲み込んでは、酸で、むせそうになりながらも、訳あてなく、これ何と口言すればいいのか皆目、見当付きません。つまり、まあこのような歳ですけれど、若いなりの反抗的空想と言えます。続けて私話し言葉洗っていいのなら、上手に君に語らえるよう、努力しますね。
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