Episode.2 甦る漆黒の魔王

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「専門分野は専門家に任すのが妥当だろ…ま、周りに人がいたら集中できないからとかそんな理由からだろうが…」 兵の弁を踏まえた上で、頭をボリボリかきながら自分なりの考えを述べた。 「古の封、時流れて久しく…幾星霜の間(はざま)永久の眠りに身を委ねし者…」 呪術師6名の詠唱が重なって聞こえてくる。ようやく始まったようだ…。 部屋の真ん中に神事官のバルドス。それを囲むように一定の距離を保ち、6人の呪術師が囲むように立つ。 部屋全体に妙な空気が流れ込む。何か大きな力の奔流が今か今かとその時を待ちわびるかのような…。 トンッ!! 6人が同時に床に杖をついた。床に光が浮かび上がり、6つの頂点が出来上がる。 「我等が望むは汝の魂と肉体の再生…大いなる魔の器に宿るは闇の焔と冥の力…」 6つの光の頂点から波打つ光が直線を描き、六芒の印を形づくる。 浮かび上がる六芒の印を包むように、二重の円が浮かび上がり、文字とも記号とも異なる形の字が、二重の円の間に光をともない刻まれていく…。 「今一度甦りて、その身と威を我等が前に示せ…来たれ、冥界の王!」 ドドオオォォーーーン!!
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