Episode.2 甦る漆黒の魔王

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遺跡全体に轟く雷鳴と振動音…。 復活の儀式が成功したのか、それとも失敗したのか…。壁画の間に兵達が押し寄せる。 ギ…ギギギ…。 壁画に切れ目が現れ、それが扉の様に開いていく。 そこには闇を彷彿とさせる漆黒の剣を右手に構え、頭が隠れる程の黒のローブを纏った者が立っていた。 「おぉ…これが古の魔王…破滅をもたらすとされる者か」 バルドスは両手をわなわなと震わせながら、術の成功と魔王の復活に声にならない興奮と畏怖を抱いていた。 「愚かな人間よ、浅ましき道化者達よ…」 漆黒の魔王は落ち着き払った声で言葉を口にした。 「何故我を目覚めさせた…暗き深淵の果てに、永遠の眠りに今暫くはこの身を任せておれたものを…」 ギィン!! 右手に構えていた漆黒の剣を床に突き刺した。明らかな不快感を抱いているようだ…。 「そうかそうか…これが望みだろう…?お気に召すといいのだが…例のモノをここへ」 バルドスの声に、呪術師二人が大きな袋を担いで魔王の前へ歩みでる。 「本来ならば犯罪者の中から、特に穢れた者を用意したかったのだが…手違いで命を亡くしてな…代わりを用意したのだ」
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