Episode.2 甦る漆黒の魔王

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ガシャッ…。 漆黒の剣を右手から左手に持ち変え、右手に魔力の波動を宿らせる。 「冥界の淵に眠る数多なる宝剣よ、我が呼びかけに従い…貫く衝撃と共に舞え…」 「暗黒の御劔(ダークセイヴァー)」 ドンッ!! 魔王が床に右手を添えるように置き、魔力を床に這わせるように流す。 床から無数の剣の刃先が現れ、円陣を組み魔王を囲んでいた兵の身体を貫いてゆく。 「アガッ、ガハッ…」 身体を貫かれた衝撃と痛みに、苦悶の表情を浮かべる。 青白い顔をしたバルドスの兵達は、その身を貫いた剣から逃れることが出来ないまま…身体をダラリとだらしなく傾けた…。 「本物の魔王だ…この世にも破滅が…」 呪術師の1人が、魔王の放つ膨大な魔力を目の前にして…恐怖に心を支配されていく。 「こ、これは…」 遺跡に落雷があったのを目撃し…ヴェルハルト達が壁画の間へと辿り着いた。 彼等が目の当たりにしたのは…剣身は紅く剣の柄は漆黒。顔は黒いローブのフードで隠され見えないものの…常人とは異なる覇気と殺気を放つ男。 その男の周囲は帝国の兵が横たわり、異常な程の鮮血が床を真っ赤に変えていた…。
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