Episode.3 巡り逢う運命(さだめ)

3/15
前へ
/84ページ
次へ
帝国兵達は圧倒的な驚異と、死と隣り合わせの恐怖に支配され混乱を極めていた。 総司令官の命令を待つこと無く、魔王に剣を向けたのだ…。 魔王に対し、自分達では太刀打ちできないと知り…次第に後退りをし始める。 目の前の魔王に勝てないならば、背後…部屋の入り口にいる蛮族の3人ならば倒せるだろう…。 魔王を倒し、帝国の名の下に力を示すことから…生きて帰る事への渇望へ…。 「目標変更!後方の蛮族を打ち倒し、この遺跡を脱出し、本国に帰還並びに本件報告を最優先とする!!」 「…やっぱりそう来るか…フリック、メリルを頼む!」 『親父…力を貸してくれ…。』 鞘に納めていた剣の柄に手をかける。代々我が一族に受け継がれてきた名も知らぬ宝剣。 受け継いだものは宝剣と、戦士の志と魂…。 「俺の剣は貴様達帝国のように、身勝手に破壊し蹂躙する為に振るうものとは違う…」 鞘から引き抜かれた剣は…宝剣と呼ばれるような荘厳な装飾や、神剣のような力などは一切ない。 それでも大量生産されたような、安物の剣には出せないものがある…。 「俺の剣は護りたいものを守るために振るうものだ!!」
/84ページ

最初のコメントを投稿しよう!

33人が本棚に入れています
本棚に追加