我が輩は猫を追う

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授業も終わり、太陽もその役目を終えようと、辺りを夕焼けに染めだす頃。僕は毎日のように同級生たちに苛められていた。 奴らが僕を苛める理由は分かっている。 自分達より弱く、気に入らない。たったそれだけ... げど今日は、いつもと違った。けして奴らが、僕を苛める事を止めて、いきなり謝って来たわけでは無く。残念な事に、いつも道理に体育倉庫の裏に連れて行かれて、いつも道理に殴られているのだが、本来なら、僕と奴らしか居ないはずの場所に、今日は一匹の黒い猫が随分と暇そうな顔で、屋根の上から傍観していたのだ。 なぜか、その傍観者を決め込む猫に無性に腹が立った。―復讐したい―そう思った。 奴らが、殴り飽きて帰ったあと、僕は急いで、グラウンドに捨ててあるカバンを、拾いに行った。
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