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あの黒い猫は、奴らが帰る直前に居なくなってしまった。
鞄の中身が全て有る事を確認して、家に帰るため、校門を出ようとした時。目の前をあの黒い猫が、ゆっくりと横切った。僕は思わず猫の後を追った。
黒い猫は、呑気に蝶々とじゃれながら、民家の塀の上をゆっくり歩いている。自分が狙われている事も知らずに、のんびりとしている。僕も後からゆっくりと猫を追う。 そろそろ塀が途切れる所で、黒い猫は、ゆっくりと僕を見て
「ニャー」
と鳴いて路地に入って行った。
何故だか「ついて来い」と言われた気がして、とても腹が立ったが。復讐の為には追わない訳にはいけない僕は、全力で猫を追った。
黒い猫が入った路地を抜けると、大きな古びた倉庫が建っていた。
ご丁寧に、僕の事を待って居ていくれた黒い猫は、僕の姿を確認した後、倉庫の壁に開いた大きな穴から倉庫の中に入って行った。
僕も後から中に入ると、黒い猫は、五、六匹の野良猫に囲まれて、何か話し合っていた。
すると突然、野良猫達が、一斉に黒い猫に飛びかかった。黒い猫はまるで放課後の僕のよいに、されるがままに、ボロボロに成っていく。
僕が助けようとした時、黒い猫は最後の力を振り絞って、一匹の野良猫の顔を、おもいっきり引っ掻いた。
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