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「別にいいじゃん。姉弟なんだし」
勝手に部屋に入って来たのにも関わらず、ユーリは悪びれる様子なくそう言った。
「姉弟っつーても、私は女だ。
女の部屋にノックせずに入るな」
リューカは話ながらネックレスを再び服の内側に入れた。
だが、ユーリはというと、クスリッと可笑しそうに笑って、
「姉さんが女だとしたら、ゴリラも淑女になるね」
と、馬鹿にするように言い切った。
さすがにこの言葉にはリューカはムカッときた。
「おいっ……今のは聞き捨てならないよ……。
私がゴリラにも劣ると言いたいんかぁ!?」
リューカは腹が立ったので、ユーリを睨みながらそう言った。
睨まれているにも関わらずユーリはまるで気にしていないような涼しい顔で、
「違うよ姉さん。
僕が言ったのは、ゴリラよりも劣るという意味じゃなくて、ゴリラの方がマシという意味……」
「ほとんど一緒の意味じゃないか!!!!」
ユーリが諭すような感じで言っている途中、リューカはベッドにある枕をガシッと掴み、思いっきり力強くユーリに向かって投げた。
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