閑章 《間者の線》

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「音羽は間者だったって本当かよ土方さん…!?」 “シクシクシクシクシク…” 「本当だ。音羽は紅蝶だったんだ。間者以外の何者でもねぇよ」 “グズッ…シクシクシク…” 「しかしあの子が間者のようには見えなかったのですが…」 “ウゥ…グズッ…” 「甘いぜ山南さん。なら奴は何故……つーか鬱陶しいわ平助!!!」 副長室の部屋の隅で泣き続けているのは副長助勤の藤堂平助だ “八月十八日の政変”で音羽が紅蝶と判明後、ずっとこんな調子である 「泣くのは別に良いが場所考えてくれ。なんか座敷わらしが泣いてるみてぇで恐いんだよ」 「だって土方さん!!音羽ちゃんが紅蝶だったんですよ!?あの笑顔が愛らしい音羽ちゃんが…!!」
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