閑章 《間者の線》

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「俺もそう思う」 「総司!!音羽ちゃんは佐々木が亡くなって泣いてたの忘れたの!?」 永倉と同意見の沖田に掴み掛かる藤堂。佐々木が何者かに殺された時に涙でグシャグシャな顔で屯所に来たのを藤堂は忘れてない 「間者ならばそんな風に涙を流すわけないと私は思うよ」 「源さん……」 この中で最も最年長である井上も音羽は間者でないと言い、土方は頭を抱える 「湿っぽいわぁ!梅雨はとうに過ぎとるでー!」 訳の分からない事を言いながら副長室に入ってきたのは歩だった 「アユ姉はどう思う!?音羽ちゃんは間者じゃないよね!?」 歩が入って来るなり藤堂は沖田から離れ、今度は歩に詰め寄る 「音羽ちゃんの事で色々と聞いてきたわ。彼女の両親は幕府に殺されとった」 「えっ…!!?」
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