第14章

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「オイ!!どういう事だよ!!」 「何もないっ、お願いだから帰って…っ!!」 ドンドンと扉の向こうから戸を叩いてくる恭介くんに、あたしは叫んだ。 すると、ピタッと扉を叩く音が止み恭介くんの声が聞こえた。 「…とにかく。帰ってほしいならちゃんと話せ。」 さっきまでの勢いはなく、まるで子供をあやすかのような声。 ……ずるい…っ ついさっきまで…あたしを貶していたのに。 いきなり…いきなりそんな優しい声なんか出されたら……。 期待しちゃう… あたしは馬鹿だから…。 騙されやすいから…。 でも、もう……限界なの。 こんな風に不安定な気持ちのまま、これからを過ごすのは無理…。 深く息を吸った後、あたしは震える声で言った。 「……あたし、恭介くんが……好き………… だからお願い…早く楽にして………あたしをフッて……?」 .
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