第14章

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そこまで言って、あたしはその場に座りこんだ。 …言った……… やっと…自分の気持ち……。 バクバクと脈打つ心臓は、治まる事を知らずに脈を打ち続ける。 恭介くんの声は全くしなくて、かわりに沈黙が部屋を包む。 …沈黙に、押しつぶされそう…… あたしは、座りこんだまま胸のあたりでぎゅっと拳を握った。 その瞬間……… 遠ざかっていく、足音。 …返事も、なし…か…。 わかっていたけど。 ……心臓が痛い。 苦しい……。 「……や、っぱり……ダメかぁ……」 小さく呟いて、涙が溢れでてきた。 …恭介くん… あたし……楽しかったよ… 今まで…… 後半は苦しい事ばかりだったけど……でも。 それでも―――…。 「う…ぅ…っ……うぅぅー……」 ―――好きだったんだ…。 .
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