第14章

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止まらない涙を拭う事さえせずに、あたしはただ胸の痛みに苦しんでいた。 恋なんて、 もうしたくないよ。 こんな痛み、もう味わいたくない…。 そう思った瞬間だった。 いきなり、目の前に光が差し込んだ。 「…え…っ!?」 あたしは驚きで目をパチクリさせた。 それは、鍵をかけた筈のドアが、キィーと音を立てて開いたから……。 そして、ドアの前に立つ人物は…… ――恭介くんで。 「…お前の姉ちゃんから拝借しといた。」 ……か、鍵…? その鍵は以前、お姉が使ったあのスペアキーで。 恭介くんはそれを指でくるくると回しながら部屋に入ってきた。 .
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