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「お前…さっき一緒に居た男誰だよ。」
「誰って…友達だけど…。」
時は昼休み。
私が友達と雑談をしていると、拓海がいきなり教室に入ってきて、私を引っ張り出した。
「友達…ねぇ?男の友達とあんな仲良くすんのか?」
鋭い視線に捕らわれて、ドクンッと胸が鳴る。
「な、なによ。別にそこまで仲良くしてな……っ!!」
言葉を言いかけたその時、グイッと頭を引っ張られ、キスをされた。
「んぅう……っ…は、た…くみぃ…っ」
「ふん…今度男と話したら、もっと激しい事してやるよ、梓羽(あずは)。」
「……っ!」
唇を離して、妖艶に笑う拓海を、カッコイイ…なんて思ってしまう私って、重傷かな…
***
「うっきゃぁ!」
あたしは思わず身震いをした。
はぁあ…夢小説って素敵だわぁ……
携帯を握りしめ、ニヤニヤしている少女―花西 梓羽(はなにし あずは)が この物語の主人公である。
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