第5章

10/10
前へ
/202ページ
次へ
「お前……どうしたんだ……?」 恭介くんは、あたしの肩に触れようと、手を伸ばしてきた。 けど、あたしはその手を振り切った。 「触…ないで…っ…アンタなんか…大嫌い……外見で…顔で全てを決め付けて……相手を…っ…見ようともしない……アンタなんか……っ!」 そう言ってあたしは、何か言いたげな顔をする恭介くんを無視して、玄関をバタンッと閉めた。 そして、一目散に自分の部屋に入り、そのまま泣いた。 もう、体の中にある水分が、全部出たんじゃないかってくらい……。 そしてその日は、泣き疲れてそのまま眠りについたのだった。 .
/202ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1266人が本棚に入れています
本棚に追加