Base Story

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テーブルの向こう側には、ケンコバさんが声をかけたという我家の3人が着席している。 坪倉さんはいつ見てもイケメン。谷田部さんはやっぱり「じゃないほう芸人」同士、どこか共感しあえる。 ここで警戒しなきゃいけないのは、杉山君だ。 彼は以前ある番組の収録中に、「若林って可愛いのに、彼女いないんだ」と口を滑らせた。 口を滑らせた、のだ。あれはたしかにそんな感じだった。 男を『可愛い」と形容する人は珍しくない。でもこと若林君に対して『可愛い」という言葉を使う 男達の目には、どうにも注意せざるをえない空気を感じるんだよね。 そんなことに悶々と頭を悩ませていると、案の定佐藤君と杉山君がせっせと若林君に話しかけていた。 とくに杉山君は得意のトーク術を駆使して、周りをリードするように笑いをとっている。 若林君が独特の高い笑い声を響かせるたびに、すごく嬉しそうな、口元のゆるみをおさえられないような顔になる。 佐藤君はというと、たまに若林君ひとりにこっそりと何か話しかけて、2人でクスクス笑いあう感じ。 2人が長い付き合いで仲がすごく良いのは知っているけど、なんだか少しだけ悔しい気持ちになるのは 大人げないだろうか。
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