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酔った、久しぶりに。
途中で抜けるつもりだった飲み会だけど、突然の御大の登場で帰るにも帰れなくなった。
学生時代からずっと憧れ続けてきた芸人さんだ。
嬉しくて楽しくて、でもすごく緊張して、俺らしくもないペースでビールを飲み過ぎてしまった。
今は春日になかば無理矢理連れ込まれるようにして、タクシーの後部座席に揺られている。
酔いのせいで体中がダルくて、春日に体全体をもたれかけさせるようにして。
「おまえがタクシーなんて珍しいじゃねえか。え?」
「フフフ・・・それはね、ばばん!」
いつもの気持ち悪い笑顔を俺に向けながら、ポケットから取り出したのはタクシー券。
「今日は収録が長引いたのでね、こんな良いモノをいただいたのだよ」
・・・ハー、やっぱな。んなことだと思ったよ。
車内のラジオからは、とある放送作家さんの声が流れてくる。
今日は昨今のお笑いブームをテーマに、独特の語り口で聞き手をうまくひきつけている。
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