泥臭くても

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「なあなあ春日ぁ。やっぱさ、あの人ってすげえよな。 この間のすべらないのときだってさ、俺はっきりいってぼこぼこにされた気分だったもん。 それにさ、あの人てさ・・・」 「・・・」 「あんだよ、おまえぇ。人の話聞いてんのかよぉ」 「あたたた、あんたね、狭いタクシーの中で暴れるのはよしなさいよ」 抱きかかえるようにして肩に手を回して、じたばたする俺をグッと押さえつける。 春日のあったかい体温がじわじわと伝わってきて、心地いい。 ふぅ、とため息をついてまた春日にもたれかかる。 春日も、俺の体重と熱を感じてる。俺も春日を感じてる。俺たちには、それが分かるんだ、何も言わなくても。 「しっかし今日は、よく大物に出会う日だよなあ。ありがたい話だけど」 「ん、だな。」 今日は午後イチから某局でバラエティの収録だった。 スタジオの方の準備がおしてて、春日と自販機の前でジュースを飲んでたとき 廊下の向こうからあの大物がやってきた。
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