419人が本棚に入れています
本棚に追加
「おぅ、大活躍だな」
小学生の頃、テレビをつければこの人の笑顔があった。
とにかく憧れて憧れて、初めて番組で一緒させてもらったときはとことん緊張した。
でも、最後にとっても素敵な言葉をかけてくれたんだ。
とにかく嬉しくて嬉しくて、心の中で何度もその言葉を反芻したんだ。
お笑いの大物としてはもちろん、今は世界に誇れる映画監督だ。
俺もずいぶんあの人の映画は見ているけど、一番印象に残っている作品は、やっぱりあれだな。
主人公は2人の高校生。
一人はケンカ早くて、いきがってて、頭で考えるよりまず行動するタイプの兄貴分。
もう一人は無口で、なんかいつも影みたいのせおってて、兄貴分についていく弟的な存在。
2人はもてあました情熱をあざ笑うように、授業をさぼったり、かつあげしたりしながらくだらない日々を送っている。
ある日兄貴分はケンカでボクサーに負けて、自分もボクサーになってやると息巻いてジムに通いだす。
弟分は何も言わずに自分もついていく。
ところが、頭角をあらわしたのは弟分のほうだった。兄貴分は、挫折した。
最初のコメントを投稿しよう!