若春物語

Base Story

～佐藤君目線～

ちょっと場違いだろうか。
Kが呼んでくれたし、暇だったっていうのもあってついつい参加しちゃったけど
やっぱり普段関わりのない番組の飲み会だから少しアウェイな感じは仕方ないか。
まあなにはともかく、春日が居ないと聞いたもんだから、なにはなくとも若林を守らなくちゃと思ってかけつけたのがホンネ。

若林の向こう側には、騎士の土屋さんが座ってる。いつ見ても爽やかな好青年って感じの人だ。
涼しげな目元が印象的で、うらやましいくらい清潔感のある人。新婚さんだってことも知ってる。
でも・・・なんでだろう。彼は若林に何か特別な感情を抱いているような気がする。
確信はないけど、土屋さんは勘の鋭い人だと思う。じつは僕の若林に対する気持ちをとっくに見抜いていて、
僕に投げかける視線がだからたまに、ちょっとだけ、キツいような気がする。考え過ぎかな。

我家の杉山さんだって、さっきからどうも若林狙いで笑い話をしているように感じられる。
笑いにうるさい若林だからこそ、ここぞとばかり巧みな話術を見せつけて、自分にひきつけようとしているような。
やっぱり、考え過ぎなのかなあ。