419人が本棚に入れています
本棚に追加
なんてことを考えていると、入り口あたりでどよめきのような声があがった。
つられてそちらを見ると、なんとそこにいたのは僕達若手芸人の永遠の憧れ、松本さん。
キャン○スナイトのプロデューサーとはよく知っている仲だとかで、店員さんが別室でご飯を食べてた
松本さんにココのことを教えたらしい。
「なんやそしたらここで俺も飯食おうかな」なんて笑いながら入ってきたから、若手芸人が立ったり焦ったりしながら
松本さんに席をあけたり、メニューを渡そうとしたりしている。
どこに座るのかな。
「おお、若林やんか」
そう声をあげると、なんと松本さんは僕達の席へとやってきた。
思わず僕と土屋君が立ち上がると、松本さんは「ここ、ええのん?」と聞いていままで僕が座っていた場所に
腰を下ろした。周りの空気がちょっとザワついたのを僕は感じた。あの松本さんが、若林の隣に。
若林は緊張してはいるものの、東京っ子ならではの無機質な雰囲気はいつものまま。
妙にそわそわしている芸人の横には、やっぱり松本さんだって座りづらいだろう。
若林は周りからみると、「松本さんに対しても、すこしもびびっていない」ように写る。
だから松本さんは気楽な調子で若林や周りの人間と話ながら、そこですっかり居心地良さそうに落ち着いてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!