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「なんや今日はピンクのあれはおらんのか」
そう松本さんが言うと周りがドッと笑う。
「あ~春日、いえ、『あの』春日は今日はピンの仕事なんですよ」
そう若林が返すと、松本さんも周りもまたドッと沸く。
「そしたら今日は若林の面倒見たらなな。ん。」と、若林へ優しくビールを注ぎだす。
そのとき、なんか、ちょっとだけ危ない感じがしたんだ。
案の定、1時間も立つと若林の様子がおかしくなった。
目はトロンとして、白い肌はピンク色に染まり、舌足らずな喋り方はもっとおぼつかなくなった。
もしも合コンでこんな女の子がいたら、きっとお持ち帰り決定だろう。
土屋さんも杉山さんも、松本さんに遠慮をしながらも、若林に目を奪われてしまう回数が増えた。
僕だってアルコールがそんなに得意なわけじゃないし、やっぱり松本さんがいて緊張してるから酒のまわりが早い。
どこかで上手に若林を誘い出して、先に帰してしまいたいけれど、上手く事を運べるかどうか自信がない。
でもこのままいくと、松本さんに若林を連れていかれるかもしれない。
どうやって、この状況を打開しようか。
救世主は、やっぱりあの男だった。
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