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何でいきなりこんなことを考えたんだろうか。
まだこの生き方を変えたいとか、そのために誰かに助けてもらいたいとか思ってるんだろうか、俺は。
となれば、まだまだ甘い人間だな、俺も。
助けなんて、求めちゃいけないのに。一人で生きなくちゃいけないのに。
人を……信じちゃいけないのに。
そんなことを考えていると、前で読書していた女子がいきなり振り返って、話してきた。
「ねぇ、井川君…だっけ?桜好きなの?」
「………」
いきなり振り返ってきて何を言うかと思ったら、『桜好きなの?』って、変な奴だな。
普通自己紹介からじゃないのか?
まぁ、どうでもいいけど。
会話はしたくないので、頷くだけ。
すると彼女は
「あっ、やっぱり?ずーっと見てたもんね、君。私も桜好きなんだぁ。あっ、そういえば名前言ってなかったね。私はアイダミサキ、って言うの。出会いの会に、田んぼの田で、美しく咲く。よろしくね~。」
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