81人が本棚に入れています
本棚に追加
ちゃんと自己紹介してきた。
そうか。さっきのセリフはいわゆるきっかけという奴か。
このニコニコしている明るい女子は会田美咲と言うらしい。
肩の下らへんまで伸びた黒髪と綺麗な顔立ち。
だがそれよりも、俺は彼女の目が綺麗だと思った。
彼女の瞳は良く死んでると言われる俺の目とは対照的に、澄んだ瞳をしていた。
その輝きを持つ瞳は、まるで吸い込まれるようだった。
「おーい、井川くーん。」
「……え?」
知らない内に、その瞳に見とれていた。
見ると会田は、右手を差し出している。
「よろしくって言ってるじゃん。」
握手したくない俺は、その手を見て見ぬふりをして、また頷くだけにした。
「握手しようよ。」
彼女が少し困ったような顔で言ってきた。
でも、俺は握手する気はない。それで、これから友達面されたらたまったもんじゃない。
そんな俺を見た彼女は、手を引っ込めた。
最初のコメントを投稿しよう!