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『よー、パンク。よーよー、パンク。店の魚全部、持ってかれんぜ?かわいい看板娘の亜弍も、持ってかれんぜ?ボケッと見てるだけかよパンク。おっさんとの約束忘れてんのかよパンク。』  俺、力を制御できっかな。こいつら弱っちいから殺しちまいそうだ。殺しちまったらヤバいっしよ。殺したらバイトも首っしょ。てか俺ポリに捕まっちまうじゃん。 『ダメじゃんパンク。自分を信じろよパンク。やっつけるだけじゃんパンク。軽いパンチを一二発だパンク。出来るぜパンク。余裕だパンク。デコピン一発即ノックアウト!』  ヤバいってそれ。だって俺、怒ってるんだぜ。怒りにムチムチしてんだぜ。手加減出来ねえ無茶苦茶しちまう。やつらは兵士。手に持つは武器。拳銃サーベルライフル棍棒、使えばマジ俺殺しちゃうぜ。 『てめえはチキンか。チキンかパンク。武器使わなきゃいいじゃん。撃たなきゃいいじゃん。カスじゃんこいつら。物取る女取る糞野郎じゃん。ドゥだ、パンク!ゴーだ、パンク!これこそがお前自身だと、証明してみせろ!これこそがお前の力だと、証明してみせろ!これこそがパンクだと、証明してみせろ!ドゥ、イット!ジャストドゥ、イット!ドゥダパンク、ナウ!』  煽んなお前、俺は殺さねえ。コントロールされた、俺を見せてやる。 【超ハイスピード】  亜弍の右腕にゆっくりと兵士の手が伸びていく。もう一人の兵士は亜弍の左腕を掴もうとしている。亜弍の真後ろにいる大尉が時間をかけて振りむき、何か言葉を発しようと口を動かす。駆け寄ったパンクは前傾しながら体を捻り、亜弍の左腕を掴もうとしている兵士の顎を右裏拳と左拳で殴る。そのまま体を回転させながらもう一人の兵士の顔を左足で蹴り抜いた。ゆっくりと兵士二人はサイドカーへと吹き飛ばされていく。次に亜弍と大尉の間に割って入り、大尉の腹を右足で正面から蹴り抜く。大尉もゆっくりと飛ばされていき、サイドカーの前輪に激突した。  大尉は腹を押さえながら兵士が乗るトラックに「クソ!おいお前ら何ボサッとしてる!殺せ!銃殺だ!」と号令を掛けた。
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