第一章 強襲

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「あ……っ」  息が上がり、集中力も途切れてきた頃、レディアは足をもつらせて滑らせた。  急な斜面で、いつ転んでもおかしくない場所であり、滑り落ちたが最後、命はないというのが簡単に予想できる場所だった。 「おっと!」  青年の一人が、レディアの腕を取り、引っ張り上げる。  名は確か、ルード。 「危ない危ない……。おい、そろそろ休憩にしないか?」  ルードが、仲間二人に向かって声を張り上げる。  やめて。  貴重な時間を、無駄にしないで。  そう言おうとして、声が出ないことに気がついた。  息が上がって、喉が乾燥しているのだ。  駄目だ。  これでは、王都に辿り着くなど、夢のまた夢ではないか。  レディアは、頭がくわんくわんと、真っ白になる緊張というべきか、恐怖というべきかわからない感覚に陥る。  どうすればいい。  どうすればもっと、すぐにでも先へ進める。
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