第一章 強襲

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「……おいしい」  紅茶をひと口飲んだレディアは、そっと呟いた。 「ありがとうございます、姫様」 「ミリーの入れるお茶はいつもおいしいわ」 「もったいないお言葉でございます」  侍女のミリーは恐縮する。頬は紅潮しており、なんだかとても嬉しそうだ。 「ねえ、私の病は治るのよね?」 「はい、治りますとも。ご安心なされませ、姫様」  本当にそうだろうか?  ここへ来ても、どんどん悪化している気がする。  そう思った、そのときだった。  バンッ!  何の前触れもなく部屋の扉が開けられた。
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