第一章 強襲

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「あんま型っ苦しいのは嫌だから、俺は姫さんって呼ばしてもらうぜ。姫さん、俺はルードだ。よろしくな」  人懐こそうに笑った赤毛の青年は、レディアに軽く頭を下げる。 「ルード、無礼だぞ。隊長にあとで怒られても俺は知らんからな。――クーディです、殿下。お見知りおきを」  赤毛の青年を軽く注意したあと、黒髪も名乗る。 「僕はスールです。殿下、今後ともよろしく」  気楽そうに挨拶を済ませた栗毛の青年。  どうやらこの三人が、レディアの護衛のようだった。  初めて知り合う者たちの中に放りこまれて、レディアは少々緊張する。  これから、彼らと王都まで行くのだ。  なんだか不安を感じる。  それに、嫌な予感もする。 「じゃあ、姫さん。行こうぜ」 「ルード、無礼だと言っているだろう」 「あはは、行くよー。時間ないんだから、早くしてよ」  レディアは、青年三人に連れられて、屋敷を出た。  普段部屋にこもることの多い足は、時折もつれて転びそうになることがたびたびあった。  そのたびに支えられ、なんとか進んでいく。
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