エイプリルフール

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「杉浦、そろそろ7時だし、締める準備しとけ!」 伊知川主任が書類に印鑑を捺しながら言った。 「もう?ですか? まだ、田宮さんが写真上げてきてませんけど……」 朱里は田宮さんのデスクから放りなげられたように中途半端になっている写真のない原稿をチラチラと伊知川主任見せた。 「―――――ッチ 6時には出来上がっとる予定じゃなかったんかいのぉ…… 連絡……入れてみるかの…… 杉浦、悪りぃ……兼田さんに残れるか聞いて…… 杉浦は歓迎会、遅刻しちゃいけんで! 」 書類を書く手を止めてにっこりと笑う。 「アタシ、田宮さんに電話してみます。 主任も今日は主役のお一人なんですから…… 時間まだあるし……」 朱里は主任のデスクの電話で田宮に即座に電話した。
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