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「痛かったじゃろ? 」
一ノ瀬の指が朱里の頬の水の粒を連れ去っていく。
「まだ……痛いよ……」
一ノ瀬が掬っても掬っても次から次へと水の粒は湧いてくる……
「ワシの子供じゃろ?」
「わかん……ない……
謙ちゃんの……赤ちゃんって確定してたら……
ココには……
い……ない……よ……」
無理に笑った朱里は目を一ノ瀬に向けた。
「辛いのぉ……」
一ノ瀬の目は赤く潤んでいた……
一ノ瀬の目を見てしまった朱里は布団に顔を隠した。
辛くて……悲しくて……痛くて……情けなくて……申し訳なくて……
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