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自分の部屋に戻りカードをスキャンすると、要が目の前に立っていた。
「………?」
要は俺を見たと突然泣き出しそうな顔で俺に抱きついてきた。
「先に帰ってると思って……ここにきても優羽いなくって……心配した」
「そっか。なんかごめんな?」
「うん、無事ならいいんだ」
そう言うと俺から離れて頭を撫でられた。
「じゃあ、俺………自室に戻るから」
了解!と要の声を聞くと、俺は自室に戻り机の引き出しからあるものを取り出した。
優羽は手首にあるリストバンドをとりカッターで肌に食い込むぐらいに引いて傷つけた。
――良かった。生きてる。
そう実感するために自分で自分を傷つけた。
それくらいいいよね?
だって痛くないから。
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