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外に出ると、黒い車が家の前にとまっていた。
「早かったな!早く乗れよな」
ニコッと笑う理事長―――東 來晃(アズマ ライコウ)が車のドアを開けながら言うので、こちらもニコッと笑った。
それに來晃は悲しい顔をしていたが優羽は気づかないフリをする。
「お前、その作り笑いやめろって言ってんだろ」
優羽はまたニコッと笑う。
「そんなことないですよ?早くだして下さい。間に合わないんでしょ?」
「………その前に言っておかなきゃいけないことがあるんだ。」
シートベルトをしながら耳を傾ける。
すると、來晃が膝の上に紙袋を置いた。
「実は紅桜学園は男子校なんだよ。」
「それが?」
「まぁ、開けてみろ」
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