4015人が本棚に入れています
本棚に追加
「……羽…優羽…」
俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。
俺はゆっくり目を開ける。
そこにはニコッと笑う要の姿が俺の目にうつった。だけどなぜか、笑っていないように見えたんだ。
気のせいではないと思う。
あれ?俺……どうしたんだっけ?
………覚えてない。
なんでベッドにいるのかさえ覚えてない。
人前では寝ない俺が寝てた―――?
ベッドから起き上がると來晃が隣に立っていた。
「……理事長?なんで理事長が……」
((覚えてないのか…))
「ねぇ。優羽?
俺達に過去の事話してくれない?」
要は俺の頭を撫でながらそう言った。"過去"?もう忘れたいのに。
言ったらお前たちは俺から離れていってしまう。それなら言わない。
言えないよ。
最初のコメントを投稿しよう!