‡第五話‡

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「……羽…優羽…」 俺の名前を呼ぶ声が聞こえる。 俺はゆっくり目を開ける。 そこにはニコッと笑う要の姿が俺の目にうつった。だけどなぜか、笑っていないように見えたんだ。 気のせいではないと思う。 あれ?俺……どうしたんだっけ? ………覚えてない。 なんでベッドにいるのかさえ覚えてない。 人前では寝ない俺が寝てた―――? ベッドから起き上がると來晃が隣に立っていた。 「……理事長?なんで理事長が……」 ((覚えてないのか…)) 「ねぇ。優羽? 俺達に過去の事話してくれない?」 要は俺の頭を撫でながらそう言った。"過去"?もう忘れたいのに。 言ったらお前たちは俺から離れていってしまう。それなら言わない。 言えないよ。
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