甘き思い出

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鼻歌交じりでアイツのところへ向かう 自然と足が走り出してしまった 息が切れそうになるけどそれでも構わず走り続ける アイツの部屋が見えた 俺は飛び込むように部屋に入る 「エンリコっっ」 あまり広くは無い部屋に彼のタバコの匂いがした エンリコの匂い 「おぅ何だボウズ?朝っぱらから元気だなぁ」 「ボウズって言うなつってんだろうが。俺はボウズじゃねぇ」 「あいあい分かったよボウズ。で、何だ?何か用か?」 「何だよ用がねぇと来ちゃいけねぇのかよ」 「またまた照れちゃってぇ。ホントはオジサンに遊んでほしくて来たんだろ?しょおがねぇなぁホントガキんちょは困るなぁ」 「殺すぞ」 「んもぅ冗談通じないんだからあ」 そう言ってくしゃりとエンリコは笑った。 この笑顔が俺は好きだ。 「おいボウズ聞こえてんのかぁ。ハッまさか俺に見惚れてたのかっ!ああだよなぁ。お前の気持ちはよく分かるよ俺様かっこ良いもんな」 「・・・・・・」 「あっそうだボウズ!」 「何だ」 ごそごそとスーツのポケットを探るエンリコ 「あったあった。これボウズにやろうと思ってもらって来た。ほれ」 エンリコは得意気に手を差し出す 俺はそれをそっと受け取った 「・・・・・飴?」 「そう。ボウズそんなん好きだろ」 「俺はもうガキじゃねぇんだよ。こんなんで喜ぶかボケ。・・・・でもしょうがねぇから貰ってやる」 「素直じゃないなぁ。まぁそこがボウズのかわいい所でもあるんだけどね。あんまツンケンしてっと友達居なくなるぞ?」 「友達なんか俺には必要ねぇ」 エンリコが居てくれればいい 後はどうでもいい 「全く困ったボウズだなぁ」 「・・・・困ったボウズじゃ嫌いになるか?」
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