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書類を書き上げているうちに、閉店5分前のアナウンスが流れ始めているのに気がついた。慌ててレジカウンターに近づくと、美穂子が清算作業を終えるところだった。
「店長、大丈夫ですから、仕事していて下さい」
美穂子の笑顔は、未来をいつも穏やかな気持ちにさせる。
「いつもありがとう、助かるよ。大丈夫、手伝うから。」
作業を終え、閉店すると、やと一日が終わる。
しかし、掃除を終えた佑喜と、三人で終礼を済ませても、未来にはまだ書類が残っていた。
「お疲れ様です」
二人を先に帰すと、未来はまたデスクに戻り、仕事を始めた。
書類を終えるころには、10時を回っていた。
残業は2時間と決めていた。それ以上をやってしまうと、終電を逃しかねないからだ。
従業員専用のエレベーターに乗ると、携帯が着信を知らせていた。
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