みらいの仕事。

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「おはようございます」 出勤して来たのは、三ヶ月前に採用した藤崎美穂子。 まだ十九歳だが、未来の店のブランドが好きだという。美穂子は、客としてよく買い物に来ていた。センスもよく、今日も、入荷したばかりのミニスカートが美穂子のほっそりとしすぎない脚によく似合っていた。 「藤崎さんはスタイルがいいから、ミニスカートがよく似合うよね」 未来がそう言うと、美穂子は照れた表情で笑う。美穂子はとても魅力的な笑い方をする、と未来は思う。採用の決定打はそこだった。 未来はスタッフをきちんと褒めることを忘れない。もちろん、何かあれば怒ることもあるが、基本的には褒めるほうが優先だ。 褒めれば人は伸びていく、先輩にそうしてもらってここまできた未来ならではの持論だった。 未来は昨日入荷したブーツカットジーンズと、発売前のジャケットを着ている。
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