眠り姫 目覚める。

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   「つい ウトウトと…。」  「つい。じゃないわよっ。この寒空の中 どこの世界に屋上で寝るバカがいるっていうのよ。」  言い訳しようとしたら 低い声で さえぎられた。  うーん。そのバカは 今、目の前にいるんですけどね。   なんて事を 口に出しちゃうほどは バカじゃなかった私は、黙って うなだれる。  「とにかく、そのカーディガン 返しにいかないと。名前とか 書いてないの?」 スズメの言葉に カーディガンの裏地を見た。 タグの所に 大きく“氷雄”と書いてある。      
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