眠り姫 目覚める。

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   「ねぇ、スズちゃん。ちょいと屋上で寝てたら コレが掛かってたんだけど。布団みたいに。」 私は 黒いカーディガンを、親友の 新垣 凉芽(ニイガキ スズメ)の 目の前に 差し出した。  「…このカーディガンよりも、一月に屋上で寝てる あんたが気になるんだけど。」 いつものように 無愛想にスズメから言われた。 茶髪で ショートカット、見た目ボーイッシュなスズメは 滅多に笑わない。 薄い唇を いつものようにへの字に曲げて。  でも、眉間にシワが寄っているトコを見ると、どうやら 怒っているようだ。     
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